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こんにちは。
宮田ともみです。
お外では、台風みたいな風がビュービューうなっていて
そんな音が聞こえてくるなかでのお話となりました。
今年の春一番だったようですけど
強く吹き荒れた風とともに、これからどんな春がやって来るのでしょうね。
「見えない春」
『見えない春』 宮田ともみ
彼女が息をふけば
そこいらじゅうがピシピシと 音をたてて氷っていく
彼女にふれれば あんまりに冷たいものだから
ふるふるふるえて その手をひっこめることしかできないの
それでも彼女のことが好きだから
手も足も小さくちぢこまって ずっとずっとそばにいたんだわ
でもね そうしてじっとしていたら 指先をぽっとあたためてくれるものに気づいたの
ちらちらともえる あたたかい火がみえてくる
それは わたしの胸のお家のなかに
彼女はぞっとするほど冷たいけれど
みえない春をもっている
あなたの胸のお家のなかに わたしの胸のお家の中に
ひかりがともって あたたかい春のあることを
彼女の息は教えてくれる
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